取引価格の配分

取引価格の配分

20211027

弁護士・公認会計士 片 山 智 裕

※本文中で引用,参照する会計基準書等の条項は,末尾の凡例に表示の略語で記載しています。

Step4「契約における履行義務に取引価格を配分する」の概要

企業は,Step3「取引価格を算定する」の次のステップで,契約における取引開始日に,それぞれの履行義務に対して取引価格を配分します。

企業は,財又はサービスの顧客への移転と交換に企業が権利を得ると見込む対価の額を描写するように,それぞれの履行義務(あるいは別個の財又はサービス)に対して取引価格を配分します(第65項)。

このステップは,次のとおり,1.契約における取引開始日に適用する場合と,2.契約における取引開始日後に取引価格が変動したときに適用する場合の2つに分けられます。

1 取引価格の配分

企業は,契約における取引開始日に,財又はサービスの独立販売価格の比率に基づき,契約において識別されたそれぞれの履行義務に対して取引価格を配分します(第66項)。

契約に単一の履行義務しかない場合には,原則として,このステップを適用しません。

2 取引価格の変動

企業は,契約における取引開始日後に取引価格が変動したときは,独立販売価格の事後的な変動を考慮せず,契約における取引開始日と同じ基礎により,契約において識別されたそれぞれの履行義務に変動した取引価格を配分します(第74項)。

Step4- 取引価格の配分

企業は,Step4「契約における履行義務に取引価格を配分する」で,以下の順に処理を行います。

1 企業は,まず,契約に複数の履行義務が含まれる場合には,契約におけるそれぞれの履行義務の基礎となる別個の財又はサービスについて,契約における取引開始日の独立販売価格を算定します(第68項)。

契約に単一の履行義務しかない場合には,原則として,このステップを適用しません。ただし,一連の別個の財又はサービスを移転する約束が単一の履行義務として識別されている場合(第32(2))には,次の手順に進みます(第67項)。

2 企業は,変動性のある支払条件が,契約における履行義務のうち一部の履行義務の充足のための活動又は充足による特定の結果に個別に関連していることその他の要件を満たす場合には,変動対価を当該一部の履行義務に配分します(第72項)。

企業は,一連の別個の財又はサービスを移転する約束が単一の履行義務として識別されており(第32(2)),変動性のある支払条件が,一部の別個の財又はサービスの移転のための活動又は移転による特定の結果に個別に関連していることその他の要件を満たす場合には,変動対価を当該一部の別個の財又はサービスに配分します(第72項)。

3 企業は,上記2により配分される取引価格を除き(第73項),契約における約束した財又はサービスの独立販売価格の合計額が当該契約の取引価格を超える場合には,その超過額に相当する値引き全体が契約における履行義務のうち一部の履行義務に関するものであるという観察可能な証拠があることその他の要件を満たす場合には,当該一部の履行義務に値引きを配分します(第71項)。この場合,当該値引きを配分した後に,残余アプローチ(指針31(3))により,財又はサービスの独立販売価格を見積ります(指針33)。

4 企業は,上記2により配分される取引価格を除き(第73項),契約における取引開始日に,財又はサービスの独立販売価格の比率に基づき,契約において識別されたそれぞれの履行義務に対して取引価格を配分します(第66項)。

取引価格の配分

l  取引価格の配分の目的

取引価格を配分する目的は,企業がそれぞれの履行義務(あるいは別個の財又はサービス)に対する取引価格の配分を,財又はサービスの顧客への移転と交換に企業が権利を得ると見込む対価の額を描写するように行うことにあります(第65項)。

本基準は,この目的を達成するため,企業は,契約において識別されたそれぞれの履行義務に対して,履行義務の基礎となる別個の財又はサービスの独立販売価格の比率に基づき,取引価格を配分することを原則とします(IFRS/BC 266)。

l  契約に単一の履行義務しかない場合

契約に単一の履行義務しかない場合には,原則として,このステップ(第68項~第73項)を適用しません。ただし,企業が,一連の別個の財又はサービス(特性が実質的に同じであり,顧客への移転のパターンが同じである複数の財又はサービス)を移転する約束を単一の履行義務として識別しており(第32(2)),かつ,契約において約束された対価に変動対価が含まれる場合には,変動対価の配分(第72項,第73項)を適用します(第67項)。

独立販売価格

l  独立販売価格

独立販売価格とは,財又はサービスを独立して企業が顧客に販売する場合の価格をいいます(第9項)。

l  独立販売価格の算定

企業は,取引価格の配分にあたって,次のa又はbの場合に分け,履行義務の基礎となる別個の財又はサービスについて,契約における取引開始日の独立販売価格を算定します。

a 独立販売価格を直接観察できる場合

企業が同様の状況において独立して類似の顧客に販売する場合における当該財又はサービスの価格を観察できる場合には,当該価格が独立販売価格の最善の見積りです。財又はサービスの契約価格(契約上の価格)や定価は,当該財又はサービスの独立販売価格の場合もありますが,そのように推定されるわけではありません(第146項)。

b 独立販売価格を直接観察できない場合

独立販売価格を直接観察できない場合には,企業は,配分の目的(第65項)と整合するような取引価格の配分となる独立販売価格を見積ります(第146項)。

独立販売価格の見積り

l  独立販売価格の見積方法

企業は,独立販売価格を直接観察できない場合には,契約における取引開始日の独立販売価格を見積る必要がありますが,配分の目的(第65項)と整合するような取引価格の配分となる限り(第146項),その見積方法に制限がありません。

本指針は,独立販売価格の見積方法を例示しますが(指針31),それらに限られず,また,特定の方法を禁止しません(IFRS/BC 268)。ただし,残余アプローチには使用制限があります(指針31(3)参照)。

l  実態適用の原則

企業は,独立販売価格の見積りにあたって,合理的に入手できるすべての情報(市場の状況,企業固有の要因,顧客に関する情報等)を考慮し,観察可能な入力数値を最大限利用します(第69条,IFRS/BC 268)。

企業が合理的に入手できる情報には,次のa~dが含まれます(IFRS/BC 269)。

a 合理的に利用可能なデータポイント(例えば,財又はサービスの独立販売価格,財又はサービスの製造又は提供のために発生するコスト,関連する利益相当額,公表されている価格表,第三者又は業界の価格設定,同一の契約における他の財又はサービスの価格設定)

b 市場の状況(例えば,市場での財又はサービスの需給,競争,制約及びトレンド)

c 企業固有の要因(例えば,事業価格戦略及び実務)

d 顧客又は顧客の分類に関する情報(例えば,顧客の種類,地域及び流通経路)

本基準は,企業が独立販売価格を直接観察できる場合には当該価格を優先的に使用するほかは,独立販売価格を算定する根拠となる証拠の優先順位(階層)を示しません。例えば,同種の財又はサービスについて直接観察できる第三者の独立販売価格は客観性がありますが,財又はサービスが企業のものと類似するにすぎず,価格戦略も企業と相違するため,企業固有の事実及び状況に応じて調整する必要があり,常に優先すべきであるとはいえません(IFRS/BC 274276)。

l  一貫適用の原則

企業は,類似の状況においては,独立販売価格の見積方法を首尾一貫して適用します(第69項,IFRS/BC 268)。

l  独立販売価格の見積方法の例

独立販売価格の見積方法には,例えば,次のa~cの方法があります(指針31)。

a 調整した市場評価アプローチ(指針31(1)

財又はサービスが販売される市場を評価して,顧客が支払うと見込まれる価格を見積る方法をいいます。このアアプローチには,企業が他の企業における類似した財又はサービスの価格を参照して,企業のコストと利益相当額を考慮して当該価格を調整することも含まれます(指針129)。

b 予想コストに利益相当額を加算するアプローチ(指針31(2)

履行義務を充足するために発生するコストを見積り,当該財又はサービスの適切な利益相当額を加算する方法をいいます。

c 残余アプローチ(指針31(3)

契約における取引価格の総額から契約において約束した他の財又はサービスについて観察可能な独立販売価格の合計額を控除して見積る方法をいいます(IFRS/BC 270)。

残余アプローチは,次のⅰ又はⅱのいずれかに該当する場合に限り,使用することができます。

ⅰ 販売価格が大きく変動すること

同一の財又はサービスを異なる顧客に同時又はほぼ同時に幅広い価格帯で販売していること(すなわち,典型的な独立販売価格が過去の取引又は他の観察可能な証拠から識別できないため,販売価格が大きく変動性すること)をいいます。

例えば,知的財産その他の無形資産に関する契約では,それらの財又はサービスを顧客に提供するにあたって,企業に発生する追加コストが少額又は皆無であるため,価格設定の変動性が高くなります。このような変動性又は不確実性の高い独立販売価格を有する状況では,独立販売価格を見積る最も信頼性の高い方法は,残余アプローチであることが少なくありません(IFRS/BC 271)。

ⅱ 販売価格が確定していないこと

当該財又はサービスの価格を企業が未だ設定しておらず,当該財又はサービスを独立して販売したことがないこと(すなわち,販売価格が確定していないこと)をいいます。

過去に単独で販売されたことのない財又はサービスについて,企業が販売価格を未だ設定していない状況では,残余アプローチを使用することが適切となる場合があります(IFRS/BC 271)。

契約の中に含まれる3つ以上の財又はサービスのうち,複数の独立販売価格が大きく変動する又は確定していない場合にも,残余アプローチを使用できます。ただし,残余アプローチを使用して独立販売価格が大きく変動する又は確定していない複数の財又はサービスの独立販売価格の合計額を見積り,次に,残余アプローチ以外の方法を使用して見積った個々の財又はサービスの独立販売価格に応じて,残余アプローチによる当該独立販売価格の合計額を按分する必要があります(指針32,130IFRS/BC 272)。

企業は,残余アプローチを使用した結果,ある財又はサービスに配分される取引価格が全くないか又は非常に少額である場合には,その見積りが適切かどうかに留意します。別個の財又はサービスであるためには,単独で価値を有していなければならないので,残余アプローチを使用した結果,独立販売価格がゼロ又はゼロに近似する見積りは適切でない場合があります(IFRS/BC 273)。

l  独立販売価格の見積りの複数の方法の組合せ

企業は,約束した財又はサービスのそれぞれの独立販売価格を複数の方法を組み合わせて見積ることが必要になる場合があります。企業は,複数の方法を組み合せて独立販売価格を見積る場合には,取引価格をそのように見積った独立販売価格で配分することにより,配分の目的(第65項)及び見積りの原則(第69項)に従っているかどうかを評価します(指針130)。

例えば,契約の中に含まれる3つ以上の財又はサービスのうち,複数の独立販売価格が大きく変動する又は確定していない場合に,残余アプローチを使用して独立販売価格が大きく変動する又は確定していない複数の財又はサービスの独立販売価格の合計額を見積り,次に,残余アプローチ以外の方法を使用して個々の財又はサービスの独立販売価格を見積り,残余アプローチによる当該独立販売価格の合計額を按分して見積る場合がありますが,取引価格をそのように複数の方法を組み合わせて見積った独立販売価格で配分することが適切かどうかを評価する必要があります(指針32,130IFRS/BC 272)。

代替的な取扱い

l  重要性が乏しい財又はサービスに対する残余アプローチの使用

指針31(3)に従うと,財又はサービスの独立販売価格を直接観察できない場合の独立販売価格の見積方法として,残余アプローチは所定の要件に該当する場合にしか使用できません。ただし,履行義務の基礎となる別個の財又はサービスが,契約における他の財又はサービスに付随的なものであり,重要性に乏しいと認められるときには,残余アプローチを使用しても財務諸表間の比較可能性を大きく損なうものではないと考えられます(指針173)。

そこで,本指針は,履行義務の基礎となる別個の財又はサービスの独立販売価格を直接観察できない場合で,当該財又はサービスが,契約における他の財又はサービスに付随的なものであり,重要性に乏しいと認められるときには,当該財又はサービスの独立販売価格の見積方法として,指針31(3)における残余アプローチを使用することができると定めます(指針100)。

独立販売価格に基づく配分

企業は,契約における取引開始日において,契約において識別されたそれぞれの履行義務に対して,その基礎となる別個の財又はサービスについての契約における取引開始日の独立販売価格の比率に基づき,取引価格を配分します(第68項)。

本基準は,独立販売価格の比率に基づく配分を原則(デフォルト)とすることにより取引価格の配分に規律をもたらし,企業内及び企業間の比較可能性を高めます(IFRS/BC 280)。

もっとも,取引価格の配分の目的(第65項)を達成するため,独立販売価格の比率に基づく配分が財又はサービスの顧客への移転と交換に企業が権利を得ると見込む対価の額の忠実な描写にならない場合として,例外的に値引きの配分(第70項,第71項),変動対価の配分(第72項,第73項)の方法を定めます(第66項,IFRS/BC 279,280)。

値引きの配分

l  概要

契約における約束した財又はサービスの独立販売価格の合計額が当該契約の取引価格を超える場合には,企業が契約における財又はサービスの束について顧客に値引きを行っているものとして取り扱います(第70項)。本基準は,独立販売価格の比率に基づく取引価格の配分を原則とするので,この値引きも,原則として,履行義務の基礎となる別個の財又はサービスの独立販売価格に比例して契約におけるすべての履行義務に配分します(第70項,第147項)。

もっとも,例えば,契約における約束した財又はサービスに利益相当額の高いものと低いものがあるために,契約全体としては利益が生じるのに,値引きの配分によって利益相当額の低い履行義務を充足した時に損失が生じる可能性があります。値引きを独立販売価格に比例して配分する結果は,企業が特定の履行義務の充足について権利を得る対価の額を忠実に描写しない場合があります(IFRS/BC 277)。

そこで,本基準は,値引き全体が契約における履行義務のうち一部の履行義務に関するものであるという観察可能な証拠がある場合に限り,値引き全体を当該一部の履行義務に配分することとします(第71項)。

l  要件

企業は,次のa~cの要件のすべてを満たす場合には,契約における履行義務のうち1つ又は複数(ただし,すべてではない。)に値引きを配分します(第71項)。

a 契約における別個の財又はサービス(の束)のそれぞれを,通常,単独で販売していること

b 当該別個の財又はサービスのうちの一部を束にしたものについても,通常,それぞれの束における財又はサービスの独立販売価格から値引きして販売していること

c bにおける財又はサービスの束のそれぞれに対する値引きが,当該契約の値引きとほぼ同額であり,それぞれの束における財又はサービスを評価することにより,当該契約の値引き全体がどの履行義務に対するものかについて観察可能な証拠があること

以上の要件のすべてを満たす場合,企業がそれぞれの履行義務について独立販売価格を直接観察することができ,かつ,値引き全体が契約における履行義務のうち一部の履行義務に具体的に帰属することについて観察可能な証拠があります(IFRS/BC 281)。

l  取引価格の配分の方法

企業は,第71項に従って値引きを配分する場合には,当該値引きを配分した後に,残余アプローチ(指針31(3))により,財又はサービスの独立販売価格を見積ります(指針33)。

例えば,企業が,通常,製品Xを@40で,製品Yを@55で,製品Zを@45で,製品Wを@1545(大きく変動する)で,独立して販売するとともに,製品YとZを組み合わせて対価60で販売している状況において,製品W~Zを組み合わせて対価130で販売します。

この場合,企業は,製品YとZを組み合わせて販売するときに合計100から40値引きして対価60にするという観察可能な証拠があり,製品Xの独立販売価格@40を直接観察することができるので,製品W~Zを組み合わせたときの対価130のうち100を製品X~Zに配分し,値引き40全体をYとZに配分します。次に,残余アプローチを使用して,製品Wの独立販売価格を@30と見積ります。企業は,複数の方法を組み合せて製品Wの独立販売価格を見積った結果@30を検討し,観察可能な販売価格の範囲内(1545)であることを確認し,この配分結果は,配分の目的(第65項)及び見積りの原則(第69項)に従っていると評価します(設例15-2)。

 製 品   独立販売価格      観察可能な価格又は見積方法(本基準・指針)

X       40       直接観察できる独立販売価格(第146項)

YとZ      60       値引きについて観察可能な証拠(第71項)

 W       30       残余アプローチ(指針31(3)

合 計      130                        (設例15-2

このように,値引きの配分(第71項)は,通常,3つ以上の別個の財又はサービスのある契約に適用します。企業が,契約における履行義務のうち,すべてではない財又はサービスの一部を束にしたグループについての観察可能な価格がある場合に,値引きが当該グループに関連することを立証できるからです(IFRS/BC 283)。これらの要件をすべて満たす状況は多くはないので,値引き全体を一部の履行義務に配分する状況は限定されます(IFRS/BC 282)。

変動対価の配分

l  概要

契約において約束された対価に変動対価が含まれる場合には,その変動する可能性のある部分は,原則として,履行義務の基礎となる別個の財又はサービスの独立販売価格に比例して契約におけるすべての履行義務に配分します(第68項)。

しかし,次のa又はbの場合,財又はサービスの顧客への移転と交換に企業が権利を得ると見込む対価の額を忠実に描写するためには,変動対価を契約の特定の一部に帰属させることが適切な場合もあります(第148項,IFRS/BC 278)。

a 契約における履行義務のうち一部の履行義務

例えば,企業が約束した財又はサービスを所定の期間内において移転することを条件に割増金を受け取る場合には,当該財又はサービスに割増金(変動対価)を配分することが適切です(第148(1)IFRS/BC 284)。このように,変動性のある支払の条件が契約における履行義務のうち一部の履行義務に関連している場合があります。

b 第32(2)に従って識別された単一の履行義務に含まれる一部の別個の財又はサービス

例えば,ホテル管理サービスを1年間にわたり提供する契約において顧客が稼働率の2%を基礎として決定される変動対価を支払うことを約束する場合には,企業は,日々の一連の管理サービスに単一の履行義務を識別しますが(第32(2)),日々の稼働率の実績により対価の不確実性が解消されるため,日々確定する変動対価を日々の管理サービスに個別に配分することが適切です(IFRS/BC 285)。また,例えば,2年間の清掃サービスにおける2年目の対価が所定の物価上昇率に基づき増額される場合にも,その増額分は,2年目の清掃サービスに配分することが適切です(第148(2))。このように,変動性のある支払の条件が第32(2)に従って識別された単一の履行義務に含まれる一部の別個の財又はサービスに関連している場合があります。

そこで,本基準は,変動対価が契約における履行義務(別個の財又はサービス)のうち一部の履行義務(別個の財又はサービス)に関連する場合は,変動対価を当該一部の履行義務(別個の財又はサービス)に配分することとします(第72項)。

l  要件

企業は,次のa及びbの要件をいずれも満たす場合には,変動対価及びその事後的な変動のすべてを,1つの履行義務(あるいは第32(2)に従って識別された単一の履行義務に含まれる1つの別個の財又はサービス)に配分します(第72項)。

a 変動性のある支払の条件が,当該履行義務を充足するための活動や当該別個の財又はサービスを移転するための活動(あるいは当該履行義務の充足による特定の結果や別個の財又はサービスの移転による特定の結果)に個別に関連していること

b 契約における履行義務及び支払条件のすべてを考慮した場合,変動対価の額のすべてを当該履行義務あるいは当該別個の財又はサービスに配分することが,企業が権利を得ると見込む対価の額を描写すること

l  取引価格の配分の方法

企業は,第72項に従って変動対価を配分する場合には,取引価格のうち第72項の要件を満たさない残りの取引価格については,取引価格の配分(第65項~第71項,変動対価の配分を除きます。)を適用して配分します(第73項)。

 

【凡例】 第〇項   企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」

指針〇    同適用指針第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針」

設例〇   同適用指針設例

IFRS第〇項    IFRS15号「顧客との契約から生じる収益」

     IFRS/BC    IFRS15号「顧客との契約から生じる収益」(結論の根拠)

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