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弁護士インタビュー

弁護士インタビュー

-先生は当初、裁判官を勤められていたんですね?-

はい、その通りです。弁護士から裁判官になることは少なく、逆に、裁判官から弁護士になることはいつでもできるので、最初はバランスのとれた紛争の本質の見方、解決のあり方を経験しておきたいということもあって、裁判官の道を選択しました。

-裁判官の経験は、いまにつながっていますか?-

もちろんです。裁判官は、基本的には社会一般の常識や感覚に沿っていますが、独特の考え方もあって、訴訟になった場合の見通しを予測することに役立っています。

-その後、弁護士と公認会計士の資格を取ろうとされたのは、どうしてなのでしょう?-

裁判官時代に循環取引に関する事件を担当し、企業会計の知識が必要になって勉強を始めたのがきっかけで、公認会計士の試験も受けてみようと思いました。

-両方の資格を有していることによるメリットは?-

ビジネスにおける意思決定は、財務・税務上の効果が重要になることやその効果自体を目的とすることも少なくありません。弁護士は、通常、ビジネス上の意思決定の後に法務チェックの依頼を受けますが、法務チェックが通らずに意思決定をやり直す必要が生じることもありますし、当職のように会計・税務の知識・経験があると、他に最適な意思決定があるのに、と思うこともあります。
法律と会計・税務の両方の知識・経験があれば、企業のご依頼者に対し、最初から法務チェックも踏まえたいろいろな選択肢を示すことができるので、最適な意思決定を手戻りなく行なっていただけます。

-依頼者は企業や経営の中核にいる人ばかりですか?-

そのようなことはありません。他の弁護士にはない特徴を説明しましたが、基本は弁護士として個人のご依頼者のご相談も多く取り扱っています。例えば、相続には相続税の問題があるように、会計・税務のノウハウが活きてくることもあります。しかし、個人のご依頼者のご相談では、そのような数字や理論を離れ、紛争の根本にある人間どうしの争いを解決に導きたいという弁護士の本分としての熱意が湧くことが多いです。

-最後になりますが、先生にとって法律とは?-

そうですね。自分の行動が利益につながるのか不利益をもたらすのか、それを予測する手引きのような存在でしょうか。であるからこそ、弁護士は正しい目的地や適切な道筋を示すことができるのです。

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片山 智裕

社名・代表名

片山法律会計事務所
弁護士 / 公認会計士 片山 智裕

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「ありふれた弁護士になるのでは意味がない。人とは違う弁護士になりたい。常にそう思って道を進んできました」

裁判官としての経歴を持ち、現在は弁護士・公認会計士として法律・会計の両面から企業のサポートを手掛ける「片山法律会計事務所」の片山所長。そうした道を歩んできたのは、一人が複数の専門性を兼ね備えることの価値を提供したいという思いによるもの。さらに、同所には英語に精通する弁護士など、言わば「複合専門家」が結集しており、これから規模を拡大する際も、同様に法律以外の専門分野を持つパートナーを集めたいとのこと。他と差別化を図ることで、さらに幅広い対応ができるオールラウンドな事務所づくりを進めていく。

法務や会計の面から正しい道筋を示し、経営者の意思決定を支えるスペシャリスト

PROFILE

東京大学法学部で学業に励み、司法試験に合格、卒業後は裁判官を6年務める。その後、監査法人などで3年の実務経験を重ねて公認会計士の資格を取得。中規模の法律事務所に所属し、弁護士・公認会計士として10年ほどノウハウを磨く。2017年に片山法律会計事務所を開設し、企業の法務や会計のサポートをはじめとする幅広い支援・相談に尽力している。

裁判官、会計士、弁護士としての経験を持つ、片山法律会計事務所の片山所長。そうした経歴を歩んだ背景には、さまざまな視点から物事を見たいという考えがあった。所長のクライアントに対する思いやこれからのビジョンについて、俳優の宍戸開さんが話を伺った。

他と違う弁護士を目指して

インタビュー

宍戸 片山所長は、裁判官としての経歴をお持ちだと伺っています。
片山 はい。他の職に就いてからですと難しいので、大学を卒業してまず裁判官の職に就きました。もともと、弁護士として活動することを視野に入れていたので、一度裁判官の仕事を経ることでバランスの取れた考え方ができるようになりたいと思ったからです。そうして、裁判官としては6年の経験を積みました。
宍戸 その後、こちらの事務所を開かれるまでの経緯については?
片山 裁判官時代に公認会計士の試験を突破し、資格取得のために退官して監査法人に3年間勤めて実務経験を積みました。そこで得た知見や経験は、現在の仕事において大いに役立っています。晴れて公認会計士資格を取得した後は、中規模な法律事務所で案件の依頼から解決まで一貫して任せていただくなど、貴重な経験ができました。そこで弁護士・会計士としてのキャリアを10年ほど重ね、2017年に当所を開いたという流れです。
宍戸 なるほど。裁判官、会計士、弁護士の3つの武器をお持ちの事務所というのは珍しいのではないでしょうか。
片山 そうですね。近年は弁護士の数が増加傾向にあるため、事務所は差別化をする必要があります。そこで私は、人と違う弁護士になりたいと常に考えて道を歩み続けてきました。その結果がこの経歴になっているんです。

多様な視点で悩みを解決

宍戸 そうすると、現在どのようなお仕事をされているのかが気になります。
片山 会計士として数字を見ることができるという強みを生かし、企業に関する案件を多く承っております。例えば、企業が新しい事業・取引を開始する際や、合併・買収・再編を行う際のご相談など。これらは計画を取りまとめた後に法務を確認する場合、白紙に戻ってしまう可能性があるので、計画検討の初期から携わるようにしています。
宍戸 経営者の方にとって企業の体制を変えることは大きな決断でしょうから、その相談を受けるのは責任重大ですね。
片山 おっしゃる通りです。ただ、一歩踏み出すことで返ってくるものも必ずありますから、法務リスクはビジネスにおける数あるリスクの中の1つとして捉えています。法律・会計・税務面を含めた総合的な観点から、経営者の方が正しい方向に進めるようお力添えすることが、専門家としての私の役目なのです。ビジネスにおける判断を最終的に下すのは、経営者様ご自身。ですから私は「これは危険だからやるべきではない」という言い方はしないようにしています。
宍戸 経営者の方に寄り添ってアドバイスをされるのですね。他にはどのようなことを手掛けられているのでしょう。
片山 契約書に不備がないかの確認も重要な役割の1つです。特に中小企業では、コンプライアンスの仕組みが整っておらず、問題が発生してしまうことがありますからね。他には、企業の不祥事や内紛の解決についてのご相談もいただきます。
宍戸 トラブルの解決は一般的な弁護士の仕事のイメージに近いですね。
片山 企業をめぐるトラブルについても、証拠をどれだけ握るかが重要になります。例えば、企業の事業活動や取締役の行為の多くは会計帳簿に証拠が残っているんです。そのため、法律知識だけでなく会計・財務のノウハウが必要で、会計士としての経験が生きてきます。この他、企業の支配権を巡る内紛は、基本的には持ち株割合が大きい人が有利になりますが、少数派であっても多数派の違法や不正会計を示すことで交渉を有利に進められる場合があります。
当事者の方は熱くなっている場合も多いですし、その思いはしっかりと汲み取ります。その上で、冷静に法律的な判断を行い、最善の結果に導くのです。
宍戸 事務所としては駆け出したばかりで、これからどのように展開されていくのかが楽しみです。
片山 ありがとうございます。現在、この事務所で共に働いているパートナーの弁護士は海外経験が豊富で、英文契約書や国際取引など英語を扱う案件に長けています。今後、事務所の規模を拡大する際には、私や彼のように、法律だけでなく他の分野にも精通した専門家を集めたいですね。そうした複数の専門性を組み合わせて、幅広い案件に対応できる事務所を目指しています。
宍戸 さまざまな相談に乗っていただけるのは、相談者にとって心強いでしょうね。
片山 ビジネス分野では、グローバル化とともに、法律・会計・税務の各制度が相互に関連して企業の意思決定に影響を与えています。企業を支える専門家も国際化だけでなく業際化が必要ですから、“ワンストップを超える付加価値を提供する2イン1サービス”の提供を目指してサポートを続けていきたいです。

Focus on the topic

書籍やセミナーを通じ、契約書の大切さを広める
2017年7月に公開草案が発表された「収益認識に関する会計基準」(日本基準)は、企業の業績を表す“収益”を“契約”に基づいて認識するというもの。片山所長の著書『収益認識の契約法務』(2017年・中央経済社)では、この新しい会計基準の概要や、それに応じて契約書を見直す際の留意点について解説している、法務・財務の担当者にとって必読の1冊だ。
また、片山法律会計事務所主催のセミナーでは、収益の“認識”に影響する法規定や論点を整理し、契約条項の解釈やつくり方を解説。セミナーに関する詳細な情報や申し込みは同所ホームページにて。

GUEST COMMENT

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宍戸 開

先の展開を見据えて裁判官、会計士、弁護士と経験を重ねてこられた片山所長。先見の明を持つ方になら、経営者の方も安心して企業の行く末を相談できることと思います。さらに、パートナーも含めて法律以外にも造詣が深いとあれば、相談者側としては本当に頼もしいはずです。これからもご自身の信念を貫いて、多くの方の相談に寄り添っていってくださいね。

出典カンパニータンク 2017年11月号(国際情報マネジメント有限会社 発行)

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私どもは,企業の意思決定を支援するパートナーとして,企業を取り巻く時代の変化に対応したサービスを提供し,広く情報発信していくことにより社会に貢献するという理念の下にたゆまぬ努力を続けて参ります。