2016年3月21日号(「公正な価格」を考える3号)
弁護士・公認会計士 片 山 智 裕

株式の価値と種類
 実務上,株式の取引や組織再編にあたって,「価格」の交渉・決定の参考とするために,公認会計士等の専門家による株式の「価値」の算定が行われていますが,これは「価格」と「価値」には一定の関係があることを前提としています。
 もっとも,「価値」には,様々な価値概念と種類があり(いわゆる“一物多価”),どの価値概念と種類が価格にどのように関係するかを考える必要があります。
 代表的な価値概念と種類は,以下の表のとおりです。価値概念の中では,「継続価値」と「清算価値」が広く知られていますが,「価格」との関係を考察するときは,「売り手にとっての価値」と「買い手にとっての価値」に着眼します。これら価値概念は併存し得ますので,例えば,買い手にとってコントロール・プレミアムを上乗せして非流動性ディスカウントをした継続価値,という価値を算定することができます。

 

価値の概念と種類

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿者: 片山法律会計事務所