企業価値形成要因
2016年4月21日号(「公正な価格」を考える6号)
弁護士・公認会計士 片 山 智 裕
1 株式(企業・事業・経営資源)の客観的な価値に影響を与える要因
では,株式(企業・事業・経営資源)の客観的な価値にはどのような要因が影響するのでしょうか?
日本公認会計士協会編「企業価値ガイドライン(改訂版)」(日本公認会計士協会出版局/2013年・24~26頁)では,以下のとおり,企業価値の形成要因,企業価値の評価にあたって考慮する要因をリストアップしています。
2 企業価値形成要因
一般的要因(1)社会的要因
(2)政治状況
(3)経済政策・景気対策
(4)法令
(5)景気動向
業界要因 (1)属する業界のライフステージ(創成期・成長期・安
定期・衰退期)
(2)業界の組織再編の動向
(3)類似上場会社の株価動向
(4)同業他社の経営戦略転換
(5)同業他社の業績変化
企業要因 (1)業種,業態及び取引規模
(2)対象会社のライフステージ(創成期・成長期・安
定期・衰退期)
(3)経営戦略や経営計画とそれらの達成状況
(4)収益性
(5)財政状態
(6)配当政策
(7)経営,営業,技術,研究等の特異性
株主要因 (1)株主構成(株主の集中,分散の状況)
(2)株主関係(同族関係,支配株主関係,一定の株主グ
ループの形成状況)
(3)株式の種類と発行状況(普通株式,種類株式)
(4)取引後の株主構成の変化
(5)取引数量(全量,大量,中量又は少量)
(6)過去における売買の事例(株式の流動性の状況)
(7)株式譲渡制限の有無
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