資料版商事法務 456(2022.03)号
資料版商事法務456(2022.03)号
連載「会社法に基づく計算関係の実務の要点」
第3回 貸借対照表・損益計算書
会社法が作成を義務づける計算関係書類に含まれる(連結)貸借対照表・(連結)損益計算書には,金融商品取引法が作成を義務づける(連結)財務諸表に関する詳細な表示ルール(財務諸表等規則,連結財務諸表規則)の適用がないため,実務上,(連結)計算書類の作成にあたって,(連結)財務諸表より簡素化して表示の組み換えを行う場合が少なくない。財務諸表等規則では,この実務上の負担を考慮し,特例財務諸表提出会社用に簡素な財務諸表の様式を掲げるが,株式会社の実情に応じて計算書類をさらに簡素化することができる。(連結)計算書類の表示は,定時株主総会で想定される株主からの質問に関わるので,企業の財務部門だけでなく,想定問答等を準備する総務部門や法務部門も,(連結)計算書類に関して遵守しなければならない表示ルール(会社計算規則)を理解し,計算関係書類の表示を簡素化するため(連結)財務諸表に関するどのような表示ルールを適用しなくてもよいのかを理解する必要がある。
そこで,貸借対照表・損益計算書の作成方法および表示について,会社法・会社計算規則の定めと財務諸表等規則・連結財務諸表規則の定めを比較しながら整理し,解説する。
[ 目 次 ]
はじめに
第1 計算関係書類の作成方法および表示の原則
第2 貸借対照表および連結貸借対照表
第3 損益計算書および連結損益計算書
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