-会計と企業法務との連携-

編著者:中島真澄(文京学院大学経営学部教授)

    片山智裕(弁護士・公認会計士)

著 者:第1部第6章「不正をめぐる対応と責任」……片山智裕(弁護士・公認会計士)

    第2部第7章「会計士と弁護士の協働」………片山智裕(弁護士・公認会計士)

    第2部第8章「会計士の訴訟関与」……………金谷利明(国税審判官・弁護士登録有資格者)

発行所:白桃書房

フォレンジック会計

  “フォレンジック会計”は、日本で「法廷会計」と訳される場合もありますが、米国では一般に知られており、法的な紛争を解決するために財務・会計データを利用する活動のことをいい、大きく調査サービス(会計不正の調査)と訴訟サービス(営業損害の算定)の2つの要素から構成されます。会計の複雑化やIT化が進んでいる中で、日本でも社会の耳目を集める会計不正や多額の営業損害の賠償事例が増えてきており、その重要性だけでなく難易度も高まっています。“フォレンジック会計”を担う会計士には、実体法・訴訟法に関する知識に加え、会計不正や営業損害を報告・証明するための調査・証拠収集活動に必要な不正検出、定量分析などの知識やスキルも幅広く求められます。

 本書は、日本では初めて公刊される“フォレンジック会計”の研究書であり、この分野で先行して研究が進む米国の状況を踏まえた上で、第1部において、日本の会計不正の事例を整理し、さまざまな不正検出手法や防止策などを議論します。第2部は、株式価値算定、組織再編、倒産処理、商業的損害など法律専門家と会計専門家が協働するテーマを横断的に取り上げ、互いに理解を得ておくべき要点を中心に整理します。また、補論において、米国のフォレンジック会計科目のケースを収録しています。

目次


序 編 フォレンジック会計の概要……………………………中島真澄

第1部 日本における会計不正の実態分析

 第1章 会計不正の実態と不正理論…………………………中島真澄

 第2章 不正検出方法…………………………………………中島真澄

 第3章 ガバナンス責任者視点からの不正対応策…………荻野好正

 第4章 非営利組織における不正……………………………榎本芳人

 第5章 デジタル・フォレンジックの活用…………………中村元彦

 第6章 不正をめぐる対応と責任……………………………片山智裕

第2部 会計と法律の連携

 第7章 会計士と弁護士の協働………………………………片山智裕

 第8章 会計士の訴訟関与……………………………………金谷利明

 第9章 営業損害の算定………………………………………神庭雅俊

補 論

第10章 米国におけるフォレンジック会計の実務……Connie Lynn O’brien

投稿者: 片山法律会計事務所